デトランスαに限りませんが、塩化アルミニウムを配合した制汗剤には全て副作用があります。
特にデトランスαは、手汗用の制汗剤の中で最も塩化アルミニウム濃度が高い(25%)制汗剤なので、副作用が現れる可能性が非常に高く、また実際にその発症事例も耳にします。
しかし使い方や使用頻度を間違えなければ、こんなにも魅力的な制汗剤は無いと手汗ナースは評価しています。
デトランスαの副作用
手の乾燥
塩化アルミニウムは手の平のたんぱく質を固め、それによって汗腺を封じ込め汗を抑える成分です。従って、手の平は汗が止まるだけではなく、一時的な乾燥肌になります。
塩化アルミニウムによる制汗療法や、手掌多汗症手術を行った人で、「制汗剤は使わなくなったけど、ハンドクリームが必要になった」と口をこぼす方がいらっしゃいますが、乾燥肌の方が症状としては深刻だと言われています。
肌が弱くなる
塩化アルミニウムは先ほども解説したように、手の平のたんぱく質を凝固させてしまう成分です。従って、日常的にデトランスαや塩化アルミニウムを配合した制汗剤を使用していると肌本来の代謝活動(ターンオーバー)が行われなくなり、どんどん肌が老化していきます。
乾燥肌という状態も、肌のレベルとしては「最も弱い」と言われているので、肌荒れや汗疱が起こりやすくなったり、制汗剤の刺激も今まで以上に感じやすくなります。
手汗が悪化する
上記のような目に見える副作用があると、「手汗」や「手そのもの」に対する負の意識が非常に高まります。
こうした経験を繰り返すことで、精神性発汗という手汗の本来の性質を更に呼びこしてしまい、かえって手汗が悪化してしまうことがあるのです。
本当に「手汗」という性質を考えた場合は、手に対する意識をしなくていいくらいに刺激が弱いものを使用するべきなのです。
デトランスαの正しい使い方
デトランスαは、毎日使うものではありません。
大事な発表会、プレゼン、テスト、模試など、絶対に失敗したくないときに使う制汗剤です。
25%という驚異的な塩化アルミニウムの濃度は、危険性を伴う一方、使い方によってはこのように強い味方になってくれるのです。毎日使用すれば、肌荒れや皮膚トラブルを起こすことがありますが、メリハリをつけた制汗は「精神性発汗」という手汗の性質からも効果があるのです。
「デトランスαがあるから大丈夫」
と思えるようになるのです。仮に、デトランスαに効果が無いと感じるのであれば、これ以上に塩化アルミニウム濃度の高い制汗剤はないので「もう手術しかない」と割り切ることもできます。